庭石の種類と選び方|用途別7分類・代表的な石を庭石屋が解説
庭石は、産地名や希少性から選ぶ前に、「庭のどこで、何のために使うか」を決めることが大切です。眺めるための景石、歩くための飛石、植栽周りへ立体感を出す割栗石、地面を覆う砂利では、必要な形・大きさ・安定性が異なります。
「価値が高い石ならよい庭になる」「和風住宅には和風の石しか合わない」というわけでもありません。住宅の外壁、見る距離、通路、植物、手入れ方法へ合う石を選ぶことで、自然石はモダン住宅にも使えます。
この記事では、庭石屋3代目のひろくんが、用途別7分類、山石・川石・海石の違い、代表的な庭石、色・サイズ・価格の選び方、DIYの限界まで解説します。
この記事でわかること
- 用途別に分けた庭石の種類7分類
- 山石・川石・海石の形と質感の違い
- 伊予青石・さざれ石・鉄平石など代表石の特徴
- 住宅に合う色・サイズ・仕上げの選び方
- 購入価格と将来の買取価値が異なる理由
まずは石の名前ではなく、景色をつくる、歩く、地面を覆うなど、庭での役割から種類を整理していきましょう。
公開日:2021年9月14日 | 最終更新日:2026年7月21日

庭石の種類は、まず用途で7つに分ける
| 種類 | 主な用途 | 選ぶポイント | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 景石 | 庭の主役、窓や玄関から眺める | 正面、形、石理、色、存在感 | 重量、搬入、地盤、転倒 |
| 割栗石・ゴロタ石 | ロックガーデン、植栽周り、法面 | 大小の差、角、色、積み重なり | 同じ大きさを均等に並べない |
| 飛石 | 庭の中を歩く点状の通路 | 足を置く面、歩幅、滑りにくさ | ぐらつき、段差、濡れた表面 |
| 敷石・板石 | 玄関、通路、テラス周り | 厚み、表面仕上げ、寸法 | 下地、排水、不同沈下 |
| 玉石・玉砂利 | 和風庭園、水景、地面の仕上げ | 丸み、粒径、色、濡れた表情 | 歩きにくさ、転がり、掃除 |
| 砂利・砕石 | 建物周り、通路、下地、防草仕上げ | 粒径、色、締まり、必要量 | 用途に合う厚み、飛散、補充 |
| 石積み・土留め用石材 | 高低差、花壇、境界、構造物 | 形、かみ合わせ、強度、排水 | 構造と安全が必要。専門施工を優先 |
景石|庭の主役として眺める石
景石は、形、表面、色、石理などを鑑賞するための石です。最も高価な石を選ぶのではなく、玄関や室内から見たときに正面が生き、住宅や植栽との大きさが合う石を選びます。
小さな庭でも主役石を一つ置くことはできます。ただし、庭の中央を占領したり、雨水桝、通路、窓の開閉、室外機を塞いだりしないよう、石の周囲へ余白を残します。
割栗石・ゴロタ石|大小を組み合わせて立体感をつくる
割栗石は角と割れ面があり、ロックガーデンや植栽周りへ立体感を出しやすい石です。ゴロタ石は、比較的丸みや不規則な塊のある石を指して流通することがあります。
同じサイズだけを均等に並べず、大・中・小を混ぜ、主役になる石を一つ作ります。石の一部を地面へ埋め、載せただけに見せないことも重要です。

飛石・敷石|歩きやすさと安定を優先する
飛石は点状に配置し、一歩ずつ歩くための石です。敷石や板石は、面として連続させる通路やテラス周りへ使います。
見た目だけで間隔を決めず、実際に歩いて足を置けるか、濡れたときに滑らないか、石がぐらつかないかを確認します。高齢者や子どもが使う通路では、段差を抑えた連続舗装の方が安全な場合があります。

玉石・玉砂利|丸みと濡れ色を楽しむ
玉石・玉砂利は丸みがあり、水景、枯山水、建物周りの仕上げなどに使われます。粒が大きいほど存在感が出ますが、歩きにくく、家具の脚も安定しにくくなります。
*丸みのある玉砂利を庭へ使う方は、玉砂利の種類・粒径・おしゃれな使い方もあわせてご覧ください。
砂利・砕石|色だけでなく粒と用途で選ぶ
砂利は庭の地面を面で仕上げ、景石や植物の背景を作ります。砕石は角があり、種類によっては石同士がかみ合いやすいため、通路や下地に使われます。
商品によって用途、粒径、必要な厚みが異なります。白い砂利は庭を明るく見せますが、落ち葉や土汚れが目立ちやすいため、掃除方法も含めて選びます。

石積み・土留め用石材|見た目より構造を優先する
花壇の縁や低い境界に石を使う場合でも、石が動く、土が流れる、人が乗る場所では安全性が必要です。高低差の大きい土留めや、崩れた場合に建物・道路・隣地へ影響する石積みは、専門業者へ依頼してください。
山石・川石・海石は、採取環境と表情が違う
| 分類 | 一般的な表情の傾向 | 庭での使い方 |
|---|---|---|
| 山石 | 角、割れ、荒い肌、複雑な形が残りやすい | 景石、石組み、ロックガーデン |
| 川石 | 水流や転動によって丸みが出たものが多い | 水景、玉石、自然な地面、和風庭園 |
| 海石 | 波や塩分の影響を受けた表面を持つ場合がある | 個性的な景石、海岸風の景観 |
これらは形の傾向を理解するための分類であり、すべての石が明確に分けられるわけではありません。産地、地質、風化の期間によって表情は異なります。
山・川・海岸の石を自己判断で持ち帰らないでください。土地の所有者、河川・海岸・自然公園等の管理規則によって、採取できない場所があります。庭石は産地と流通経路を確認できる販売店から購入します。

代表的な庭石・石材と向いている用途
| 名称 | 主な特徴 | 向いている用途 | 確認点 |
|---|---|---|---|
| 揖斐川石 | 形・色・表面の変化が豊富な自然石 | 景石、石組み、和モダン、ロックガーデン | 一個ごとの正面、重量、色 |
| 伊予青石 | 青緑系の色と層状の表情を持つ石として流通 | 景石、飛石、和風・和モダン | 層、割れ、厚み、濡れ色 |
| さざれ石 | 小さな石片が自然に固結した表情を持つ | 記念性のある景石、庭の主役 | 形、空隙、風化、搬入 |
| 紫雲石 | 穴やくぼみ、暗色の表情を持つものが流通 | 景石、水景、和風庭園 | 空隙、欠け、正面、安定 |
| 椎葉石 | 赤みとしわ状の複雑な表情を持つものが流通 | 景石、植栽の背景、和風庭園 | 色の強さ、住宅との相性 |
| 鉄平石 | 板状に割れやすく、面を作りやすい | 敷石、乱張り、通路、壁面 | 厚み、表面、下地、滑り |
庭石の名称には、産地名、地質名、流通名、商品名が混在します。同じ名前でも色や形が異なることがあるため、名称だけで購入せず、現物写真、寸法、重量、乾燥時と濡れた状態を確認してください。

庭石の選び方|失敗を減らす6つの順番
1.庭での用途を決める
眺める、歩く、地面を覆う、植物を引き立てる、土を支えるなど、石の役割を一つ決めます。用途が異なる石を、見た目だけで代用しないことが基本です。
2.主に見る位置を決める
玄関、道路、リビングの窓、庭の中など、最もよく見る位置を決めます。景石は、販売写真で正面に見えた面が自宅の視点でも正面になるとは限りません。
3.住宅から基調色を一つ拾う
外壁、屋根、門柱、サッシ、舗装材のいずれかとつながる色を選ぶと、住宅と庭がまとまりやすくなります。完全に同じ色でそろえず、明暗や質感へ差をつける方法もあります。

4.サイズは見る距離と搬入経路で決める
庭の面積だけでなく、建物の高さ、石を見る距離、通路、植栽の成長後、トラックから庭までの搬入経路を確認します。
大きな石を購入できても、門、塀、カーポート、電線、階段によって搬入できない場合があります。商品代だけでなく、小運搬と据え付けまで確認してください。
5.正面・割れ・風化・安定を確認する
景石は四方向と上から写真を撮り、正面候補を比較します。大きな割れ、浮いた層、崩れやすい部分、底面の安定も確認します。

6.完成後の掃除と点検を考える
白い砂利は汚れ、細かい砂利は落ち葉掃除、丸い石は歩きにくさ、大型景石は周囲の草と沈下を確認する必要があります。完成直後の見た目だけでなく、数年後まで管理できるかを考えます。
庭石の価格は、石の名前だけでは決まらない
庭石の購入総額は、石本体の価格に加え、重量、運送距離、荷下ろし方法、道路から庭までの小運搬、重機、据え付け、残土処分で変わります。
- 石本体の価格
- 寸法と重量
- 産地と希少性
- 形・正面・傷・風化状態
- 運送距離と車両条件
- 庭までの搬入経路
- 重機と作業人数
- 基礎・地盤・据え付け
「1個いくら」という比較だけでは、最終費用を判断できません。商品ページの価格に何が含まれるかを確認し、庭へ設置するまでの総額で比較してください。
「価値が高い庭石」でも、高く買い取られるとは限らない
希少な石、形のよい石、大きな石には商品として高い販売価格が付く場合があります。しかし、自宅に据えられた中古庭石を撤去・再販する場合は、購入時と条件が異なります。
庭から出すための重機、塀や庭木の撤去、クレーン、運搬、保管、再販までの時間が必要です。そのため、石自体に魅力があっても、搬出費用が再販価値を上回ることがあります。
購入価格=現在の買取価格ではありません。庭石は投資商品としてではなく、現在の庭で得られる景観・使い勝手・満足から選びます。
DIYできる庭石と、業者へ依頼する庭石
| DIYを検討できるもの | 専門業者へ依頼するもの |
|---|---|
| 手で安全に持ち上げられる小石 | 手で持ち上がらない景石 |
| 小範囲の砂利・割栗石 | 大量の石・砂利の搬入 |
| 平らな地面への装飾的な仮置き | 斜面、土留め、石積み、段差 |
| 軽い敷石を使う短い通路 | 車両・歩行の構造的な舗装 |
持ち上がらない石を、車・ロープ・てこで自己流に動かさないでください。石は予想しない方向へ回転・滑落し、挟まれ、車両損傷、配管破損につながります。
庭石の種類と選び方に関するよくある質問
Q. 庭石にはどのような種類がありますか?
A. 用途で分けると、庭の主役にする景石、立体感を作る割栗石・ゴロタ石、歩くための飛石・敷石、丸みのある玉石・玉砂利、地面を覆う砂利・砕石、石積みや土留めに使う石材などがあります。石の名前より、まず用途から選びます。
Q. 山石・川石・海石は何が違いますか?
A. 採取された環境や、長期間受けた風化・水流・波の影響によって、角、丸み、表面の質感に傾向があります。ただし、すべての石が明確に分類できるわけではなく、流通名や産地表示も含めて現物を確認してください。
Q. 和風の庭には和風庭石、洋風の庭には洋風庭石が必要ですか?
A. そのように単純に分ける必要はありません。外壁、門柱、舗装材の色と、石の色・形・質感をつなげる方が重要です。自然石でも、数と色を絞ればモダン住宅に合わせられます。
Q. 価値が高い庭石なら、将来高く売れますか?
A. 購入価格と将来の買取価格は別です。石の状態、形、現在の需要、搬出経路、重機、運搬費によっては、石自体に価値があっても撤去費用が上回ります。投資目的ではなく、庭で使う価値から選んでください。
Q. 庭石の大きさはどのように選びますか?
A. 庭の面積だけでなく、見る距離、建物の高さ、通路、植栽、搬入経路から決めます。小さな庭でも主役石を一つ置けますが、設備や動線を塞がず、周囲へ余白を確保してください。
Q. 天然石は写真と色が違って見えることがありますか?
A. あります。天然石は個体差があり、乾燥・濡れ、日なた・日陰、撮影環境によって色が変わって見えます。可能であれば現物、複数方向の写真、水に濡らした状態を確認してください。
Q. 庭石をDIYで設置できますか?
A. 手で安全に持ち上げられ、指や足を挟む危険がない小石に限ります。持ち上がらない景石、石積み、土留め、斜面、地中設備の近くでは、自己流で動かさず専門業者へ相談してください。
まとめ|名前より、庭での役割から種類を選ぶ
庭石は、景石、割栗石・ゴロタ石、飛石、敷石・板石、玉石・玉砂利、砂利・砕石、石積み・土留め用石材という用途から整理すると選びやすくなります。
その後、山石・川石・海石の表情、住宅の色、見る距離、搬入経路、完成後の掃除を確認します。希少性や石の名前だけで決めず、庭で果たす役割を優先してください。
持ち上がらない石や、構造・歩行・土留めに関わる石は、自己流で動かさず専門業者へ相談します。
庭に合う石の種類・サイズ・色を、写真を見ながら相談したい方へ
庭全体、外壁、玄関や窓から見た庭、道路から庭までの通路、希望する用途の写真をLINEでお送りください。




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