和モダンの庭をDIYで作る|失敗しない3つのポイントと石・植栽の選び方
和モダンの庭は、灯籠や和風小物を増やすのではなく、「直線」「自然素材」「余白」の3つを整えると作りやすくなります。現代住宅のすっきりした線に、石や植栽の不規則な形を少量だけ組み合わせることが、昔ながらの和風庭園との大きな違いです。
和の雰囲気を出そうとして、庭石、灯籠、竹垣、陶器鉢を一度に置くと、住宅より庭の小物だけが目立ってしまうことがあります。反対に、砂利だけを全面へ敷くと、整っては見えても単調になりがちです。
この記事では、庭石屋3代目のひろくんが、和モダンの庭をDIYで作る3つの基本、建物に合う石と植栽の選び方、実際の施工例、失敗しやすい組み合わせを解説します。まずは、和風の庭と和モダンの庭の違いから確認しましょう。
公開日:2022年5月28日 | 最終更新日:2026年7月20日

和モダンの庭とは、昔の和風庭園を小さくしたものではない
和モダンとは、石、木、砂利、植栽といった日本の庭で使われてきた自然素材を、現代住宅の直線的で簡潔なデザインに合わせた庭です。
昔ながらの和風庭園には、景石、灯籠、池、築山、飛石、竹垣など、多くの要素が使われます。一方、和モダンの庭では、その中から必要なものだけを選び、建物との間に余白を残します。
| 比較する点 | 昔ながらの和風庭園 | 和モダンの庭 |
|---|---|---|
| 構成 | 複数の景物で物語をつくる | 主役を絞り、余白を広く残す |
| 線 | 曲線や自然な流れを重視 | 建物に合わせた直線と自然な形を組み合わせる |
| 色 | 自然の色を重ねる | 白、黒、グレー、木調など色数を抑える |
| 植栽 | 複数の樹木や下草で奥行きをつくる | 樹形のよい木を絞って見せる |
| 使い方 | 眺めることを重視 | 通路や玄関など生活動線も重視 |
ひろくんの判断:和モダンにしたいという相談で、最初に灯籠や竹垣を選ぶ必要はありません。先に、外壁色、玄関までの線、窓から見える場所を確認します。その線を壊さない範囲へ石や植栽を加える方が、現代住宅になじみます。
和モダンの庭をDIYで作る3つのポイント
1.使う素材を絞る
和モダンの庭をすっきり見せるには、素材を増やし過ぎないことが重要です。石、砂利、植栽を基本にし、必要に応じて飛石や照明を加えます。
レンガ、枕木、竹垣、陶器鉢、灯籠、複数色の砂利を一つの場所へ集めると、それぞれは和風でも、全体としてまとまりにくくなります。
迷った場合の基本構成:地面を整える砂利、視線を集める石、季節を感じる植栽。この3つから始め、必要なものだけを後から加えてください。
2.直線と自然な形を組み合わせる
建物、門柱、アプローチ、見切りは直線で整え、その近くへ不規則な形の石や植栽を置くと、現代的な印象と自然らしさを両立できます。
四角い飛石や御影石の敷石を一直線に並べ、その脇へ割栗石や低木を配置します。直線だけでは硬く見え、自然石だけではまとまりにくいため、両方を組み合わせます。

3.何も置かない余白を残す
和モダンの庭で難しいのは、何を置くかより、どこへ何も置かないかを決めることです。空いている場所へ石や鉢を追加し続けると、主役が分からなくなります。
玄関や室内の窓から視線が止まる場所を一つ決め、その周囲へ余白を残してください。砂利の面、三和土風の土間、苔や下草の低い面も余白として機能します。

場所別|和モダンに見せる考え方
玄関横は、門柱や外壁の線を基準にする
玄関周りでは、庭だけを独立して考えず、門柱、玄関扉、アプローチの線を基準にします。直線的な見切りの内側へ砂利を敷き、割栗石や低木を少量配置すると、狭い場所でも見せ場をつくれます。
玄関扉、郵便受け、インターホン、雨水桝の点検を妨げないよう、生活に必要な場所は空けてください。
窓から見る庭は、室内からの正面を決める
和室やリビングの窓から見る庭では、庭の中央ではなく、室内で座る位置から主役を決めます。石の正面や樹木の幹がよく見える位置を探し、手前を低く、奥に高さを出すと奥行きを感じやすくなります。

アプローチは、歩きやすさを優先する
アプローチは庭の飾りではなく、毎日歩く場所です。飛石の間隔、滑りにくさ、雨の日の水たまりを確認し、その上で石や砂利の色を整えます。
生活動線は直線または緩やかな線で整え、脇の石や植栽で自然さを加えてください。
和モダンの庭に合う石の選び方
和モダンに合う石は一種類ではありません。住宅の色、石を置く場所、庭を明るく見せたいか、落ち着かせたいかによって選びます。
| 住宅・庭の条件 | 合わせやすい石 | 完成後の印象 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 白・黒・グレーの外壁 | 青黒系、グレー系 | 庭が引き締まる | 暗色だけで全面を埋めない |
| 木調・ベージュの外壁 | 茶色やグレーが混じる自然石 | 温かく自然な印象 | 石ごとの色幅を確認する |
| 小さな玄関横 | 小ぶりな割栗石、平らな飛石 | 少ない材料でも見せ場になる | 大きな石を置き過ぎない |
| 窓から眺める庭 | 形に特徴のある景石、飛石 | 視線を止める主役になる | 室内から見える面を確認する |
| 明るく見せたい庭 | 白系、青白系 | 清潔で軽い印象 | 泥汚れや落ち葉が目立ちやすい |

ひろくんからのアドバイス:商品写真だけで石の色を決めず、乾いた状態と雨に濡れた状態の両方を確認してください。
和モダンの庭に合う植栽の選び方
和風の木を数多く植える必要はありません。一本の樹形を見せ、その周囲へ低い下草を添える方が、すっきりとまとまります。
| 役割 | 植栽の候補 | 確認点 |
|---|---|---|
| 主役になる木 | イロハモミジ、アオダモ、ソヨゴ | 成長後の高さ、枝の広がり、落葉 |
| 足元を整える | タマリュウ、フッキソウ、ツワブキ | 日当たり、乾燥、踏まれる場所か |
| 日陰へ季節感を加える | シダ類、ヤブラン、苔 | 湿度、水やり、夏の乾燥 |
| 鉢で取り入れる | 小型のモミジ、南天、山野草 | 鉢の色と大きさ、水切れ |
灯籠や陶器鉢は「和を足す道具」として使う
灯籠や陶器鉢は、和モダンの庭に必須ではありません。使う場合は複数を並べず、一つを見せ場として使います。
小さな玄関横や直線的な住宅では、石灯籠より低い庭園灯や足元灯の方が建物になじむ場合があります。陶器鉢も、黒、濃いグレー、土色など、庭の色数を増やさないものを選びます。
和モダンの庭DIYでよくある失敗
失敗1.和風アイテムを置き過ぎる
灯籠、竹垣、ししおどし、陶器鉢などを一か所へ集めると、現代住宅とのつながりが弱くなります。まず石、砂利、植栽で庭の骨格をつくり、小物は必要な場合だけ加えてください。
失敗2.白・黒だけで庭全体を固める
モダンさを出すために白と黒だけで庭を構成すると、建物と庭が硬く見えることがあります。自然石の色幅や植栽の緑を少量入れると、無機質さを和らげられます。
失敗3.細かな砂利だけで全面を覆う
砂利だけで全面を覆うと、視線を止める場所がなくなります。飛石、割栗石、植栽のうち一つを主役として加えてください。
失敗4.完成写真だけを見て、生活動線を忘れる
飛石、庭木、灯籠が毎日の通行や掃除を妨げることがあります。玄関、物置、立水栓、駐車場へ実際に歩いてから配置を決めます。
安全上の注意:手で安全に動かせない景石、高さのある石灯籠、土留めに関わる石、傾斜地への据え付けは、DIYで無理に行わないでください。
自社施工例で、和モダンの作り方を見る
施工例では、建物の線と石・砂利・植栽をどのようにつないでいるかに注目してください。
御影石の直線と割栗石の模様を組み合わせた庭

御影石の敷石を並べ、その脇へ割栗石を模様のように配置した和モダンの施工例です。
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伝統的な素材を、すっきり見せた和の庭

数寄屋門、板塀、御影石、三和土風のアプローチを使いながら、昔ながらの庭になり過ぎないよう整理しています。
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岐阜石の色幅を活かした、自然な和の庭

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